濃密な三席
池袋演芸場にて、古今亭菊之丞独演会。
「黄金餅」「三味線栗毛」「豊志賀の死」の三席をネタだし。
「黄金餅」はネタおろしの時に聴きにいけず悔しい思いをしていたので、個人的に「やっと出会えた」ネタです。
かなり完成度が高く、菊之丞師匠の売り物になりそうな予感がします。特に木蓮寺での弔いの部分を笑いたっぷりに聴かせるところが師匠の力量を感じさせます。
どうしても陰惨になりがちな噺ですが、菊之丞師匠の華やかさが光る高座でした。
「三味線栗毛」は手慣れたネタで安定の一席。明るい紫の着物に袴姿が若侍に似合っていました。
仲入りを挟んで「豊志賀の死」。さすがに大ネタ三席目でやや疲れが出ていたように思いますが、ダレ場と笑いとの緩急を巧みに取り混ぜるあたり、さすがという感じです。
夏に神楽坂で菊之丞師匠の同じ噺を聴きましたが、安定感は今日の方がやや欠けるものの、一席の噺としては聴きごたえがあったように感じました。
三席続けて聴くと、まず西念が患い、錦木が患い、豊志賀が患うという、なかなかに濃密な時間を堪能しました。
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