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2012年12月16日 (日)

「文七元結」の季節

毎年この季節になると、あちこちの落語会で「芝浜」がかかりますが、今年は「文七元結」がネタ出しされている会が多い気がします。今日だけでも橘家文左衛門師匠、古今亭志ん橋師匠、林家正雀師匠、金原亭馬治さんと、多くの噺家さんがやられているようです。出来ることなら全部片っ端から聴いてみたいです。

今日は銀座の山野楽器で開催された「銀座山野亭落語会」で古今亭菊之丞師匠の「文七元結」を聴いてきました。菊之丞師匠の文七は去年聴いていたのですが、一年経つと記憶が薄れていて、とても新鮮な気持ちで聴きました。

まず着物がすごく格好良かったです。赤い縞の入った唐桟っぽい着物で(でもおそらくは絹物だと思いますが)、白地に何かの模様を散らした帯という、遊びにのめり込んだ職人を演じるのにピタリとはまった様子の良さ。

師匠の文七で特徴的だったのは、物語の導入部で左官の長兵衛が腕の立つ職人であることを説明している部分。確かさん喬師匠がこの形だったように思います。また音源で確認すると先代の馬生師匠も同じような説明を入れていました。これを入れると、博打で身を持ち崩した長兵衛の落差が浮かび上がって、キャラクターがスッと聴き手に入ってくるように思います。
全体としては記憶していたよりもかなり泣かせる構成で、じっくりと演じている印象でした。

そして、もう一席は「二番煎じ」。「火の用心」や都々逸など、随所で師匠の喉をたっぷりと堪能できる楽しい高座でした。
ところで会で配られたチラシの中に、鈴本の正月二之席のハガキが挟み込まれていました。昨年に引き続き、二之席の昼席は菊之丞師匠が主任。今から楽しみです。

ちなみに本日の「銀座山野亭落語会」のうち、菊之丞師匠の会は第一部で、第三部も聴きに行ったのですが、こちらは雲助師匠・龍玉師匠による双蝶々のリレーという、これもこの季節にふさわしい会でした。こちらの感想は、また次回書きます。

Ninoseki

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