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2013年5月29日 (水)

雨の落語

関東地方が梅雨入りしたそうです。観測史上3番目の早さだとラジオで言っていました。
今日は梅雨入りにちなんで、雨の落語について書きます。

その前に、昨日、柳家小んぶさんの勉強会「ジャイアントケルプ」に行ってきて、写真を撮らせてもらったので載せます。

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ピースをしているのですが、大きすぎて画面に収まりませんでした。

小んぶさんは聴くたびに面白くなっている気がします。
落語界の「進撃の巨人」です。

さてさて、雨の落語について。
雨の出てくる落語というのは、探せばかなりあるような気がします。

圓朝物なんかだと、のべつに雨が降っているような印象があります。
最近聴いた圓朝物で印象的なのは、龍玉師匠の「お久殺し(真景累ヶ淵)」で、雷雨の中で二人の男が揉み合うシーン。
なるほどこれは激しい雨の降る中での出来事でなくてはならないなあと思わせます。

圓朝物ではありませんが、人情噺だと「お初徳兵衛」の雨のシーンが艶っぽくて素敵です。
「らくだ」の回想シーンで雨が降るというのもあるらしいですね。
また「金明竹」では雨が降り出して客が傘を借りに来る秀逸なくすぐりがあります。

雨が落語の場面で重要な小道具として使われている例だと、まず「道灌」。
これは雨が降らないとオチにつながりません。

それから「中村仲蔵」。
これも雨が降ることで、一人の役者の人生を変える出会いが生まれまる、雨にきちんとした必然性がある噺です。
僕は雲助師匠の仲蔵が好きです。

そして何と言っても「笠碁」。
これは梅雨なのか、秋の長雨なのか分かりませんが、降り続く雨の中で気持ちが滅入っていく様、そして旧友を思う心の動きなどが聴きどころの噺です。
雨でなくとも噺は成立すると思ますが、雨だからこそ登場人物の心情にリアリティーが生まれる例だと思います。

僕が聴いた中では橘家文左衛門師匠の「笠碁」がたまらなくチャーミングで良かったです。
また金原亭馬治さんの「笠碁」も、老人たちがじりじりする感じがよく出ていて、二人が仲直りする場面では会場に拍手が沸いたのを記憶しています。

雨の降る日は、うちに中でじっくり落語の音源に耳を傾けるのも良いかもしれません、
とまとめておいて、最後に宣伝。

蜃気楼龍玉師匠と、秋に真打昇進をひかえてのりにのっている三遊亭天どんさんが「山崎屋」をリレーで口演します。
「山崎屋」リレー口演、7月20日(土)開催です。
詳しくはこちらをご覧ください。
お待ちしております!

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