天どんショー
本日は三遊亭天どん師匠の浅草演芸ホールでの披露目初日でした。
台風の影響で電車が大幅に遅れていましたが、どうにかこうにか浅草にたどり着きました。
場内に入ると、そんな中であるにもかかわらず結構な入りでした。
天どん師匠は古典落語「たらちね」の改作である「タラチネ」。
この噺は3年前に六本木の独演会で聴いたことがあって、そのときは単なる古典の改作という印象しかなかったのですが、今回聴いてみて、これは非常にうまく構成された作品であると感じました。
ちなみに、その3年前の独演会で天どん師匠は新作古典とり混ぜて四席を演じ、さらにゲストで来ていた喬之進さんに二席やらせるという、なかなかの力技を見せたのでした。
浅草演芸ホールは、これはたぶんスポットが強めの照明のせいだと思うのですが、ほかの寄席の高座と比べて劇場感が強いというか、演者さんがくっきりと演劇空間の中に浮かび上がっているような見た目のイメージがあります。
それでいて浅草のお客さんは無遠慮に高座に話しかけたりするので、客席と高座との距離感が遠いような近いような不思議な感覚に襲われます。
さらに埼玉大学落語研究会の名前の入った後ろ幕は少し黄みがかった青色なので、まるで師匠が晴れ上がった青空のなかで強い光を浴びているように見えました。
師匠はいつものふわっと噺を進めていくやり方ではなく、客いじりも含めてかなり意識的にこの劇場空間を支配していて、笑いの要素が緻密に計算された一席でした。
僕は行けなかったのですが、鈴本のスタンディングオベーションで登場した披露目のときといい、天どん師匠は高座を一つのショーとして演出できる稀有な噺家さんであるような気がします。
そんな天どんさんの魅力に新たに気付いた一日でした。
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