お直しのこと
第四回「龍玉部屋」の開催が迫ってきました。
今回は蜃気楼龍玉師匠が「お直し」をネタおろしで口演します。
一人でも多くのお客様に足を運んでいただけるよう、ちょっと「お直し」について思いつくままに書いてみたいと思います。
「お直し」は古今亭志ん生が芸術祭賞を受賞した演目として知られています。
志ん生師匠の「お直し」の音源はいくつか発売されていますが、キングレコードのものが口跡がはっきりしていて、聴きやすく、また完成度も高いように思います。
志ん生は吉原を知っている世代ですので、マクラに自分の経験した吉原の様子を様々に活写するところが聴きどころの一つです。
アマゾンで検索すると、「お直し」は他にも志ん朝師匠、雲助師匠、馬生師匠(当代)のものが発売されています。
志ん朝師匠も廓に間に合った世代ですが、自分の経験談を語るようなことはなく、廓に生きる人々の悲哀に重点を置いています。
馬生師匠はどちらかというと噺を理解するための仕込みとして、吉原の知識を色々と披露します。
雲助師匠は、おそらく今回龍玉師匠が口演するのはこの形をベースにするだろうと思われますが、男と女のかなしさ、おかしさを強く感じさせます。
「お直し」は吉原を舞台に、ダメな男が出てきて、弱いけれども強く生きていこうとする女が出てきて、二人が幸せになろうとする物語です。
吉原がなくなったいま、演じる方も聴く方も舞台となる吉原を知らない状況なので廓噺は厳しいという人がいますが、そんなことは決してありません。
(もしそうだとすれば、誰も行ったことのない宇宙を舞台にした「スターウォーズ」のような映画は厳しい、ということになってしまう)
演者によって演じ方は様々ですが、出てくる男と女はすべての落語に通じるキャラクターであり、つまりすべての私たちの日常に通じるキャラクターであるので、むしろ聴きやすいように感じます。
廓を知らない雲助・馬生師匠よりもさらに年の若い龍玉師匠がどんな風にこの噺に取り組むのか、ぜひ第四回「龍玉部屋」にご来場いただき、お客様のお耳で確かめてください!
第四回「龍玉部屋」のご予約はrakugoten@yahoo.co.jpまで、お名前、人数、ご連絡先をメールしてください。
会の詳細はコチラをご覧ください。
ご来場、お待ちしております。
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