実録・落語会に男女の出会いはあるのか!?
今日は3つ書きたいことがあります。
少々長くなるやもしれませんが、お時間の許す限り、どうぞお付き合いください。
その1、龍玉師匠の会のこと。
昨日は、新宿の道楽亭で行われている蜃気楼龍玉師匠の「圓朝に挑戦!」の会に行ってきました。
龍玉師匠が圓朝作の続き物に挑戦している会です。
2012年に始まった「真景累ヶ淵」が前回の会で一区切りついて、今回は「札所の霊験」の抜き読みでした。
あまりほかにやる方のいない噺ですが、龍玉師匠の鬼気迫る熱演が素晴らしかったです。
僕はとにかく龍玉師匠のファンなので、いつ聴いても素晴らしい素晴らしいばかり言っているのですが、ここのところ特に、師匠は大きく進化をしているように感じます。
龍玉落語をまだ聴いたことがない、あるいはしばらく聴いていないという方は、ぜひ師匠の現在進行形の芸に触れてみてください。
その2、打ち上げであった方のこと。
で、ここからが今日の本題なのですが。
道楽亭の会は終演後に打ち上げがあり、希望者は誰でも参加できます。
昨夜の会の打ち上げで、僕はある男の方と隣り合わせになりました。
その方は、仮にYさんといたしますが、Yさんは神奈川の方の大学で先生をされているという、まことに人品いやしからぬ、ちょっと奥田民夫に似た良い男でした。
Yさんは非常に気さくな方で、「龍玉部屋」にも来てくださったことがあるということが分かり話が弾んだのですが、話を聞くうちに、なんと驚きの御仁であることが判明いたしました。
実はYさんは、落語会の打ち上げで知り合った女性と、近ごろご結婚されたというのです。
いや、僕は、そういうケースがあるということは話にうかがっていましたよ。
鰻の蒲焼があるということは話にうかがっていましたよ(ちりとてちん)。
しかし、実際にそういう人に会ったのは初めての体験です。
落語会で男女がめぐり逢い、ロマンスに発展するということがあるんだと、それは決して都市伝説ではないのだと、ここにその実物が存在するのだと、大げさに言えば宇宙人に遭遇したくらいの衝撃を受けました。
つい先日、「たけしのTVタックル」で、若い男女がなかなか結婚できない時代である、何しろ出会いの場が少ないというような特集を観たのですが、なんのなんの、Yさんはちゃんと運命の人を射止めたのです。
しかも落語会の打ち上げで。これは現代の奇跡ではないでしょうか。
打ち上げ付きの落語会というのは結構あります。
飲み屋、蕎麦屋、寿司屋などの飲食店で落語会が開かれている場合、その会場で打ち上げになるというケースが多いです。
大抵のお客さんは、噺家さんと懇意になりたい、高座では話せないようなオフレコの話を聞きたい、あるいは同じ趣味を持った者同士で愉快に酒を飲みたいという気持ちで参加するのだと思うのですが、そこで男女の出会いがあっても、まあ考えてみれば不思議ではないわけです。
ただ僕の私見では、適齢期の女性は割と多く見かけるのですが、適齢期の男性を見かけることは少ないように思います。
これはあれですかね、やはり噺家さんは男が多いので、そのファンであるところの女性のお客さんがどうしても多くなるという現象なんですかね。
若い男性を落語会であまり見かけないというのは寂しい事であります。
そこで、万国の男子諸君よ!
我こそはと思う者は、ぜひ落語を聴き、さらに打ち上げに参加して、新たな出会いを求めてみてはいかがだろうか。
女性たちは落語を聴いて楽しい気分になっていますし。お酒を飲んでいることでしょうし。そこには落語という共通の話題もあるのだし。
気の合うご婦人を見つけたら、今度二人で別の落語会に行く約束をしてもいいじゃありませんか。
人間、到る処青山あり。男女、到る処出会いあり。
もっとも、打ち上げに参加してそういう出会いがなかったとしても、僕は何の責任も持てないのですが…。
ちなみに、Yさんが奥さんと知り合った落語会は、三遊亭白鳥師匠の会だそうです。
何となくわかるような、そうでないような。
その3、龍玉師匠の会のこと。
最後になりますが、7月28日(月)に龍玉師匠の独演会があります。
主催は上記の道楽亭さんですが、龍玉落語を愛する者の一人として、宣伝に協力させていただきます。
この会では、師匠のライフワークといっても良い「真景累ヶ淵」を通しで口演するそうです。
通しといっても、累ヶ淵はとても長い噺なので、特に面白いところを選びに選んでお届けする、という会になると思います。
龍玉師匠の累ヶ淵をまだ聴いたことのない方、今現在の師匠の集大成を聴くチャンスだと思います。
平日の夜でお忙しいなかとは存じますが、ぜひぜひ足をお運びください。
会のチラシはこちら からご覧いただけます。
真夏の怪談で、しばしの涼をお楽しみください。
そして、この会であなたの隣に座ったお客さんが、もしかしたらあなたの運命の人かもしれません。